不動産広告から香港文化をみる

香港に住んでいると人の移動が多いせいか、郵便ポストには毎日のように フラットの賃貸や売買に関する広告がドバッと束になって入ってきます。

日本では不動産のチラシというと家の間取りや時には外観写真がのっていて それに部屋数、面積、などがありますね。 香港のはどうかというと、そういう日本風の間取り入りのはほとんどなく、 大抵がマンションの名前、面積、部屋数、それにそれぞれのフラットの売り 文句、それに家賃が述べられただけのものです。

でもこの「売り文句」に結構 面白い物が多く、これをみて「ああ、ここは海の見える部屋なんだ」とか、 「家具付きなんだ」という情報が得られるのです。とくに中国語の表現が漢字で 書かれているだけに大袈裟に感じておかしくなるときもあります。

例えば…、

Greenland Court 517,
1 br bal,ff,
s/v 5.5K(inc)

これはGreenland Courtという名前のマンションで、面積は517スクエアフィート、 1ベッドルーム(1br、日本でいうと1LDK、ちなみに日本のワンルームはこちらでは Studioといいます)、バルコニー(bal)、全家具付き(ff=fully furnished)、シービュー (s/v=sea view)で、家賃は管理費込み(inc)で5500香港ドル(約9万円)、という ことになります。

これが中国語だと、

俊山閣 517
一房露台海景イ家電
5.5K

となります。 やはりこちらでも人気があるのが「海景」ことシービューで、たとえ同じ間取りや 広さでも「海景」(s/v)と付くだけで付加価値が出て高くなります。

そんなに1日中 海を眺めてるわけでもないし、わざわざお金を余計に出して「海景」にこだわる こともないのですがやっぱり部屋から海が見えるのは気持ちが良い、ということ で私は一度目のフラットも、そして今のところも海が見える部屋を借りて住んで います。

それに最近では香港の不動産価格も暴落してしまったのでそんなに高い お金を出さなくても海が見えてきれいなフラットに住めます。 その人気の「海景」ですが、建物と建物の隙間からかろうじて海が見えるだけの ものから180度の海が広がる「無敵海景」までさまざまです。

そんな中でもこれは すごい、と思ったのは「無敵風水樓皇 背山面海大露」という売り文句です。風水 では背後に山が控え、正面に海、という家が良いとされているからこういう コピーが出来るのだと思いますが、それにしても表現が大袈裟で面白いと感じ ます。

ちなみに「露台」とはバルコニーのことです。ただし香港の街中ではこんな ものがあるフラットはほとんどありません。周辺の島や郊外にはバルコニー付き のフラットもありますが。 あとは日本と同じように「東南」というのも売り文句になるようで「東南海景」と いう表現もよく見ます。

このように楽しみながら見ている不動産広告の文句ですが、これらの文句から 香港人が住む場所に何を求めているのかが分かるような気がします。

ミルクがヨーグルトに変わる時

1999年7月31日作成  

香港はほぼ一年中高温多湿。よって物にすぐカビが生えたり、腐ったりする。今回はそんな香港での不思議化学変化記。

まだ香港へ来て1年目のある朝、いつものようにコーンフレークを皿に盛り、冷蔵庫からとりだした牛乳をかけた。

しかし、出てきたのは牛乳ではなく、どぼどぼに固まったヨーグルト状の物体だった。 つまり、腐っていたのである。

「え、何で?冷蔵庫にいれといたし、買ってからまだ3日もたっていないのに。」 私の目の前にはどぼどぼヨーグルト状牛乳に埋まったコーンフレークが…。

「これで最後だったのに。あーあ、もうコーンフレーク残ってないよ。」 朝ごはんをだめにしたこの経験があってからというもの、私はコーンフレークにミルクを掛けるときには必ず一度キッチンシンクにちょっとたらしてから腐っていないかどうか確かめる事にしている。

それにしても冷蔵庫に入れていた牛乳が腐るとは、香港の気候は油断ならない。

香港の政府公共広告から香港人のモラルをはかる

1999年6月27日作成

「人ごみでは押し合わないこと。パニックしないこと。」

「香港から海賊商品をなくそう!」

「食事の用意のときは手をよく洗いましょう。調理の際は火をよく通しましょう。コレラを予防しましょう。」

「窓からごみを投げすてないこと。」

「香港をごみの山とするもしないもあなたのチョイスです。」

これらはみな、香港の臨時市政局による公共広告のコピーである。 こんなテレビCMやポスターにして流すまでもないような「常識」的な事をあえて強調しなければならないのが香港なのである。

「人ごみで…」のテレビCMは花火大会やニューイヤーなどの香港のビックイベントの前になると必ずといってほど流される。それというのも何年か前に「香港の六本木」とも言われるランカンフォンという地区でニューイヤーを祝っていた人たちが道で将棋だおしになり何人かが死亡する、という事故があったからなのだ。

それでなくても順番抜かしを平気でしたり、列で並んでいても人をどんどん押してくるのが得意な一般的な香港の人々。やはり、こういうテレビCMが必要なのかもしれない。

今日も地下鉄でドドーッと人が乗り込んできたかと思うと老若男女とわずの席とり合戦。ま、それでも一応お年寄りがいる場合にはちゃんと席をゆずっているのは良しとしましょう。

そして食品の衛生に関するこの広告。 ゴキブリがフィッシュボールといっしょに串刺しになってしまってます。

「営業許可を受けていない屋台の食品は不衛生なので利用しないこと」というのがこの広告の主旨らしい。

はじめて街でこのポスターを目にしたときはグロテスクさに気持ちが悪くなったが、この直接的で分かりやすい表現、香港らしい。そしてこういう表現をして人々に注意を呼びかけなければならないことも香港の衛生状況や食品衛生に対する意識を反映している。

もちろん、きちんと衛生管理をしているレストランもあるのだろうけれど、シーフードを扱う生け簀にトイレ用の水を使っている店が摘発されてしまうあたり、まだまだ衛生管理が徹底しているとは言えないのが香港の実情だ。

「ごみを窓から投げ捨てるな」のテレビCMはというと、香港の高層マンションの窓から洗濯機などの家具が投げ捨てられ、スローモーションで落ちていくなかで、地上では子供たちが元気に遊びまわっている光景が映し出され、「ごみを窓からなげすてると、どんなことが起きるか分かっているのですか?」というようなメッセージが流される。

実際に洗濯機を投げ捨てる人がいるのかどうかは知らないが、私の住んでいるマンションでも、「管理組合からのお知らせ」的な掲示板に「上の階からごみが投げ捨てなれて迷惑しているという苦情がきています。どうか、みなさん、窓からごみは捨てないように。お宅のメイドにもそう指導してください。」というようなメッセージが貼られていたことがあるのでよく起こっている問題なのだろう。

なお、もうひとつごみ問題に関して面白いCMがあるのだか、それは道を歩いている人がごみをポイ捨てすると、その人のポケットからお札がスルスルスルと抜け出てしまう、というCMで、「道にごみを捨てると罰金5000ドル、あるいは禁固刑に処せられます」とうメッセージが流れるのだ。

でもそのわりにはやはり罰金刑で有名なシンガポールの街中のようにきれいでないのはどうしてだろう?

なんだか香港人のモラルを批判するような内容になってしまったが、香港人は知り合いになると男性は徹底的にレディーファーストだし、女性も気さくでつきあいやすい人々である、といことも付け足しておこう。

安物買いの銭失い

1999/4/16作成

日本でもどこでもそうなのかもしれないがことに香港はこの「安物買いの銭失い」の公式がみごとにあてはまるところである。

日本であったら安くてもよいものに巡り合える 確立は高いが、ここ香港では「安物は、安物」である。 安いものというのはそれだけの 価値しかないから安いのであって、「質がよいのであれば、それに比例して値段を 上げるのは当然でしょう。もうけられるところからはもうけなくては」というのがこちらの 考え方であるように見受けられる。

大体が日本よりも土地代が高く、生活費も日本と たいして変わらないのに給与水準がそんなに高くもなく(職種にもよるのだろうが)、 競争の激しいこの土地で商売を成り立たせるとしたら、「いいものを、よりやすく」なんて やってるより「安いものはいっぱい売ってもうけよう。いいものだったら値段に反映させて もっと儲けよう」となるのではないだろうか。

例えばトイレットペーパー。地元のスーパーマーケットチェーンなどで売られている自社 ブランドの「お得用トイレットペーパー」は12ロールで約15ドル(300円位)で、他のメーカーの もの(22ドル~28ドル)に比べたら安いのだが、 この安さにつられてはいけない。じつはこのトイレットペーパー、「巻き」が少なく、すぐになくなってしまうのである。15ドルで得をしたと思っても、結局は何度も買い足すはめになるので最初から100円分ほど多く払い、「巻き」の長いトイレットペーパーを買ったほうが最終的には得なのである。

もう一つの例を挙げるなら、料理用のなべ。香港に着いて間もない頃、1000円ほどで中がテフロン加工のように黒く加工された鍋を買ったのだが、この鍋、使っていくうちに黒い物質が料理に混ざるようになったのである。最初は「こげ」かと思っていたが、正体は鍋の内側に張られた黒い塗料、もしくは金属の破片だということが分かり、身体に悪いので、すぐに5000円ほどの鍋に買い換えた。まさしく「安物買いの銭失い」であった。

ただし、高いものがすべてに価値があるかというとそうでもない場合もある。一つは家賃、それにレストランでの食費である。 家賃は外国人、とくに日本人の場合、まずボラれる。ほとんどの香港人と違い外国からきた駐在員の場合、会社からの家賃補助が出るため、少々高くても自分のポケットから出る分が少ないためにあまり「高い」と感じないことと、現地の事情がよく分からないこと、そして以上の2つの点を大家・不動産エージェントがうまく利用して高い値段を呈示してくるのからである。

実際これは大きな問題となっているようで、新聞やテレビニュースでも、外国人(インド人、欧米人、日本人)、香港人など相手が変わるとエージェントはどう対応、家賃を変えるか、という特集をやっていたくらいである。一例を挙げると、ある新築マンションの賃貸価格を地元に人には10000ドル、一方外国人相手には13000ドルとしていたという事実がある。

私自身もボラれたので、対応策としてはとにかく大家・エージェントと強気で交渉することだろうか。それに今なら不動産価格も暴落したので家賃を下げる交渉に応じてくれる大家もいる。(私も交渉して契約途中から下げてもらった)

そして第2にレストランの食費であるが、これは高くてもたいして美味しくないところもあれば、安くてもおいしいところがある。その理由を考えたところ、高い店、というのはかならずしも食事自体に価値があるのではなく、場所代、内装の豪華さ、人件費、トイレの清潔さ、などにお金をかけているから高いのだ、ということが分かった。

例えばそういう店では食前、食後におしぼりを配ってくれる人がいたり、トイレには掃除おばさんが常駐していたり、いつも真っ白なテーブルクロスがかけてあったり、席と席の空間が広かったり、といった設備面での充実がみられるのである。もちろん、こういう店で味も最高、ならよいのだがそうでもないところも多いのは残念である。

それに対して安いレストラン、あるいは食堂の場合で重要なのは「食べるもの」そのもののため、食器はメラマイン製で少々乱暴に扱っても割れないものを使っていたり、相席が当たり前だったり、プラスチックの透明のグラスにお茶が入って出てきたりと(ただしこのグラスはあまり清潔ではないとのことで、地元の人はフォークやお箸をひたして消毒するために使っている)「優雅に」食事をするのには向かないが、味は安いからおいしくない、というわけではなく、下手したら高いレストランより美味しい場合もある。

結論として言えるのは、ここ香港は安いものにも高いものにもそれなりの理由がある、ということがとても分かりやすい社会である、ということだろうか。

安いものにはわけがある、それが香港に住んでみてよくわかったことである。

香港の旧正月風景

1999/4/15作成

1999年2月 新界沙田「車公廟」にて

みんな風車が好き。おとなも子供も、誇らしげに風車をかかげ歩く。

オレの風車が一番でかい。 風車をまわして、太鼓を叩いて、
お香に火をつけ拝んだら今年も一年幸せに 暮らせます。

そう言えば香港では初詣なのにみんな普段着だなあ。

日本だと振り袖とか普通の洋服でもわりとおめかししていくことがおおいのに。  

香港のフラット

1999.4.7.

<高層か、低層か>

今13階に住んでいます。13階と聞いて「13階か。中層だね」と思ったあなたは、もしかして香港在住ですか?

土地が狭い上に人口が多い香港では建物は上へ上へ伸びるしかなく、そこら中に27階建てだの、35階建てだのの高層アパートがたっているのです。そんな中にいると、13階が中層になってしまうのです。

不動産広告でも高層とあるのは大抵が20階前後のものを指すようです。 防犯上でも低層階のほうが泥棒に入られやすいし、やっぱり人間、高いところが好きだからか、家賃も同じような間取りの部屋だったら高層になればなるほど高くなります。

ほかに低層で問題になるのはトイレの水があふれ出ることがある、ということです。実際によく起こっているのかどうかは知りませんが、会社のハウジングの人に聞いたところによると、なんでも香港ではトイレ用には海から引いてきた水を使っていて、その水を送るパイプへのプレッシャーが低層階ほど大きくなるので、時としてパイプがその水圧に耐え切れずに破裂してしまうことがあるからなのだそうです。

部屋に帰ったらあたり一面水浸し、しかもトイレの水が、なんて状況、想像しただけでもこわいですね。とはいってもごくまれなケースだとは思うのですが。

<フラットの作りについて>

ここではごく標準的なフラットを念頭に話しますが、香港のフラットの作りは基本的には欧米風と言ってよいのではないでしょうか。ドアを開けたらすぐ部屋で、日本のように玄関はありません。

バスルームもホテルにあるようなバスタブにシャワーが付いたもので日本のような洗い場はありません。したがって、トイレ、お風呂、洗面台が一つの部屋に収まっています。

こんな狭いフラットなのに、3LDKクラスになるとなぜかマスターバスルームまで付いています。日本人の感覚からすると、部屋をその分広くすればよいのに、と思ってしまいます。

狭い、狭いと言いますが、そのバスルームが2つもあるフラットに関しては、リビングがせいぜい10畳、マスターベッドルームが6畳、その他の部屋は3畳か4畳位、といったところでしょうか。それなのにバスルームは2つ…。

これには香港人のほとんどがアマとよばれるフィリピン人の住み込みメイドを雇っていることから来るのかもしれません。

もう一つの特徴としては、フラットを入るドアの前に鉄格子のドアがもう一枚あることです。これも防犯上の理由なのですが、まるで牢屋のよう。しかも勢いよく閉めるとがっちゃーんとすごい音がするので気をつけなければいけません。でも知らない人が来たときにとりあえずメインのドアを開け、鉄格子は閉めたままにしておけば安心なのがよいです。でもよく考えてみればこんな鉄格子をつけなければ安心できない、というのもこわい世の中ですね。

家のなかでキャンプ気分

家の中でキャンプ気分 突然ガスが壊れた。バスルームのガスが。点火はできても種火がつかない。 したがってお湯が出ない。何回かガチャガチャとひねってみるがやはりだめ。

もしかして、と思い、種火のついていない状態で蛇口をひねってしばらく放置 していたらガスの臭いが充満してきた。以前、シャワー中にガス中毒になって しまった、という話を思い出し、急いで窓を全開にして換気をし、念のため 元栓も締めて、その朝のシャワーはあきらめた。

翌日、仕事から帰ってガス会社に修理を依頼すると4日も待てとのこと。一体 どうなってるの、と思うとなんでもイースターホリデーでガス会社もいつもの 体制がそろっていないとのことだった。それにしてもそれまでシャワーはなし? と頭が痛くなった。

ロングフライトやホテルステイの仕事ならよかったものの、 この時に限って日帰りフライトやオフが重なっている。しかし幸いなことに キッチンの給湯とガスはきちんと動いているので、原始的な方法に挑戦してみる ことにした。

私にとってはキャンプ生活でもあるまいし、という原始的な方法だが、いまでも 香港の古い公営住宅に住んでいる人たちは実行している方法だそうである。その 方法とは、まず、台所でお湯を沸かし、そのお湯を洗面器に入れてお風呂にためる、 あるいはそのお湯をちびちびと体にかけて洗う、という方法である。なんだか 考えただけで面白そう。なんだか外国暮らしって感じ、とふざけたことを考え ながらその方法に初挑戦してみることにした。

ひとまずやかんでお湯を沸かす。そしてそれをバスタブへ注ぐ。しかし、これでは 1センチもお湯がたまらない。そこで今度はキッチンの給湯のお湯をなべにため、 それをバスタブへ、という作業を10往復程する。

やっと10センチ程お湯が溜まった ところで身体を洗う。湯加減はなかなか良い感じ。洗面器がないのでとりあえず 歯磨き用のコップを洗面器代わりにして掛け湯をする。

家の中でキャンプをして いる気分。

とりあえずそんなわびしいお風呂だったが意外にさっぱりとした。 それにしてもなぜ壊れたのかシャワーの湯沸かし器。これでも日本のメーカーの 10年保証付き、なんていう立派なステッカーが貼られている物だというのに。

太陽は何色? 香港の天気予報

香港の天気予報 太陽を描くとき、皆さんはいったい何色の色鉛筆、あるいはクレヨンを使い ますか?

「赤」、と答えた方は典型的な日本文化圏のひとらしいです。というのは私が勝手に 決めたことではなく、大学時代の何かの講義でそういうデータだか研究結果だかが ある、と聞いて印象に残っていることなのですが。 この講義によれば、日本では古来から太陽を「赤」で表現するのに対しヨーロッパ では太陽の色を「黄色」で表現するそうです。

確かに日の丸は赤だし、日本昔話系 の絵では太陽が赤く塗られていたような気もしますし、ヨーロッパで天気予報を 見ると太陽マークは黄色です。太陽の眩しいスペインTVEの天気予報にいたっては 目玉焼きの目玉の部分のような黄色の丸が使われています。

それでは、日本と同じアジアの香港では太陽は何色で表現されているでしょうか? 少なくともある一つのローカル局では太陽の丸い部分が赤、周りの炎の部分が 黄色の2色が使用されています。

テレビ以外ではローカル誌の天気予報欄の太陽の色もやはり赤い丸に黄色い 炎の2色使いです。しかもその周りの黄色の炎の部分も日本の天気予報で使われ る均等で小さ目の花びらのようなかわいいものではなく、ぼうぼうと燃え盛る ような炎の描きかたなのです。

本当に太陽が「燃えている」という感じであの 晴れマークを見ると「今日は晴れて嬉しいな」というより、「あ、今日も暑そう~」 と思ってしまいます。 太陽の色遣い以外で面白いのは「空気汚染情報」でしょう。「何、それ」とはじめて 見たときは驚きましたが、住んでみて納得。

これを出さないといけない程に香港の 空気は汚染されているのです。香港自体人口密度が高いし、車は多いし、工場は あるし…、という事情のほかにもお隣のメインランドチャイナ(大陸中国)から 汚染された空気が漂ってくることも多いようです。 日本でいう光化学スモッグが発生するのも珍しいことではなく、私の住んでいる 山奥でさえも空がスモッグで霞んでいることがあり、そんな時には街の中心部では 空気汚染度100とかで口を押さえて歩く人々の姿がよくニュースに映し出されています。

具体的には「空気汚染度」が100を越えると喘息など呼吸器に障害のあるひとは 屋外に出ないほうがよく、ワンチャイやコーズウェイベイなどの繁華街でこの 「汚染度100」が出ることが多いようです。 だからなのでしょうか。香港人が部屋の換気には窓を開けるかわりにエアコンの スイッチを入れるのは。

「手洗い」で「小」をさせる親

「手洗い」で「小」をさせる親 それはカオルーンサイドのジョーダンにあるおいしいと評判の上海レストランへ 行ったときのこと。

食事を終え、レストランの裏にあるトイレへ行った。 相変わらず汚いのは仕方ないにしても、ここですごい光景を目にしてしまった。

なんと、おばさんが赤ちゃんをかかえて、その赤ちゃんに「小」をさせていたの だ、洗面台に向かって。トイレではなく、手や顔をあらうあの洗面台に向かって である。そしてそのおばさんは「小」をさせるだけでなく、何とその子供を洗面台 のなかに座らせ、お尻を洗っているではないか。

おいおい、香港の人はこんな事 までするのか、と唖然とした一瞬だった。

それ以来、公衆の場所にあるトイレを 使うたびに「ここも、もしかして子供がおしっこかけた洗面台かもしれない」と 思いながら手を洗っている。油断ならない、香港での生活。

その壱 <湿度120%+エアコン地獄>

1999.3.18.

またあの湿気がやってきた。

さわやかな冬が終わり、また視界ゼロのどんよりした季節が戻ってきた。 うー、息をするのも苦しいくらい。洗濯物は3日干しても乾かないし、床は 湿ってスリッパで歩くと滑る。

それでも今年はまだ良いほうかもしれない。 去年はこの湿気のせいでなんと壁にカビが生えてしまったのだから。でもはじ めは壁に黴が生えているとは気付かず、「あれ、なんでこんな黒くなってる んだろう。わたし何か壁に付けたっけ?」と思っていたのである。

それで 普通にティッシュで「汚れ」を落とそうと拭き取り、ふとその「汚れ」をみて みると、深緑の黴色をしているではないか。「ちょっと、壁に黴が生えるの!」と驚いた。こんな目に付くところに堂々と生えているところをみると、 これはきっと他にも生えているはず、と思い、ベッドをずらすと、やっぱり そこにも生息していた。

幸いクローゼットの洋服には生えていなかったが 革靴にはうっすらと綿状の緑色の物体が膜をはっていた。おそろしるべし、 香港。

そういえば部屋から見える海を隔てて対岸の香港島が最近みえないな、と 思っていたが、その正体はこの湿度、スモッグにあったのだ。

香港では海の 見えるフラットが人気があるし、実際私もその眺望に惹かれて住んでみた ものの、実は山側のフラットに比べて水の目の前だから湿度が高い、という ことが判明した。 それにもかかわらず今もまた別の海に囲まれたフラットに住んでいるのだが 今のところ、黴の被害はまだ出ていない。

しかしまだ寒いのに湿度対策と して冷房と暖房を同時に入れるというエネルギーの浪費をせざるを得ない 状態にいる。

冷房と言えばここ香港では真冬の寒い(例えば気温が10度前後)の時でさえも バスの中は冷房ががんがんに効いているのである。「寒いよ~。こんなの馬鹿 げている」とコートを着、手袋を付けて防寒対策している私だが、この冷房を 一年中つけっぱなしにしているのも一つには湿度対策、それに「空気清浄」の 意味があると聞く。

そう、なぜか香港人は「エアコン」イコール「空気清浄器」 だと思っているのである。

日本でだったら「この部屋ちょっと空気がこもって いるんじゃない」というときにはまず窓を開けて空気換気、といくところだが 香港では「この部屋空気が悪い。エアコンつけよう」となるのだ。というわけで 今日も香港のまちではエアコンがフル回転しているのである。

付け加えておくと、 たま~に暖房が効いているバスも走っている。でもその基準は分からず。 というのも、この間はついていたかと思ったら、今度も同じくらい寒いのに 冷房になっているときがあるからである。